子どもの噛みつき、親が誤解しがちな3つのこと
保育園から「お友だちを噛んでしまいました」と連絡が来ると、多くの親は動揺します。噛みつきは1〜2歳児によく見られる行動で、性格や育て方の問題とは限りません。よくある誤解と、歯の生え始め・刺激過多など原因別の効果的な対応方法を詳しく解説します。

保育園から「今日、お友だちを噛んでしまいました」と連絡帳に書かれていたり、電話で伝えられたりすると、多くの親はショックを受ける。攻撃的な行動に見えるぶん、他の困った行動よりも重く受け止めてしまいがちだが、噛みつきは1〜2歳児の間ではよく見られる行動のひとつで、たいていの場合、性格や育て方の問題ではない。
誤解その1: 「うちの子に何か問題があるのでは」
噛みつきは自我が芽生え、他の子との関わりが増える1歳前後で特によく見られる。この時期の子どもは、伝えたい気持ちに対して、それを言葉にする力がまだ追いついていない。保育園の集団生活の中で、噛みつきを一度も経験せずに過ごす子のほうが珍しいと言えるほど、多くの園でよくある行動として扱われている。噛みついたことは、性格の欠陥を示しているのではなく、気持ちと言葉の間にあるギャップを表しているにすぎない。
誤解その2: 「噛み返す」「厳しく長く叱る」のが効果的
「噛まれる痛みを教える」ために噛み返したり、大声で長く叱ったりする対応は、実はあまり効果的ではないとされている。有効とされるのは、落ち着いた低めの声で「噛みつくのはダメ、痛いよ」と短く伝え、まず噛まれた子のほうに意識を向け、次にどうすればよかったかを一緒に確認するという対応だ。
感情的で大きな反応は、逆に「噛みつけば大人がすぐ強く反応してくれる」という学習につながることがある。淡々とした一貫した対応を続けるほうが、その場限りの強い叱責よりも、長い目で見て行動を落ち着かせやすい。
誤解その3: 「噛みつきは全部同じ原因」
噛みつきにはいくつかの異なるきっかけがあり、原因によって効果的な対応も変わる。歯が生えかけている時期は、歯茎のむずがゆさを紛らわせるために近くにあるものを噛んでしまうことがあり、この場合は歯固めを先に渡しておくと防げることが多い。人が多い環境や大きな音による刺激過多が引き金になっている場合は、静かな環境に切り替えることのほうが、言葉での注意より効果がある。おもちゃの取り合いなど、言いたいことがあるのにうまく言葉にできない場面では、「貸してほしかったんだね」と気持ちを代弁してあげることが助けになる。
なお、多くの保育園では、噛みつきがあった際に相手の子の名前を伝えない方針を取っている。保護者同士のトラブルを避けるための配慮であり、園によって対応は異なるが、心当たりがあれば連絡帳や送迎時に園の方針を確認しておくと安心だ。
実際に役立つこと
食事の時間や疲れている時間帯、人が多い遊び場など、噛みつきが起こりやすい場面ではそばに付き添い、噛む前に間に入れるようにしておくとよい。気持ちを言葉にして伝えてあげること、そしてその日の機嫌に関わらず毎回同じように対応することが、単発の対策よりも効果を発揮する。多くの子どもは、語彙と自制心が育つにつれて、特別な対策をしなくても3歳頃までに噛みつきが減っていく。
よくある質問
噛んでしまった相手に謝らせるべきですか?親が手を添えて一緒に謝る、氷を持っていってあげるといった形はよいが、「ごめんなさい」の意味をまだ十分理解できない年齢の子に無理に言わせる必要はない。
いつになったら心配したほうがいいですか?頻度が高い、力が強い、他の攻撃的な行動を伴う、3〜4歳を過ぎても続くといった場合は、かかりつけの小児科医や保育園に相談し、他に考えられる要因がないか確認してもらうとよい。
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