新生児の体重減少はなぜ起こる? 見極め方も解説
退院後はじめての体重測定で、数字が生まれたときより減っていても多くは心配いらない。生理的体重減少が起こる仕組みと目安の割合、厚生労働省の調査に基づく出生体重に戻るまでの日数の目安、そして実際に小児科へ相談すべきサインまで具体的にまとめて解説する。

結論から言うと、退院後はじめての体重測定で、生まれたときより数字が減っていても、多くの場合は心配いらない。新生児は生まれてから数日間、体重が減るのがむしろ普通で、小児科では治すべき問題ではなく想定内の経過として扱っている。
親が誤解しやすいこと
ほとんどすべての新生児は、生まれてから数日のあいだに体重が減る。これは「生理的体重減少」と呼ばれ、お腹の中から持って生まれた余分な水分が抜けていくことと、初乳がまだ少量しか出ていない時期で、実際の哺乳量そのものが少ないことが重なって起こる。母乳量が本格的に増えてくるのは生後3〜5日ごろが多く、それまでは順調に授乳できていても、哺乳量が自然と少なくなるのは避けられない。
母乳栄養の赤ちゃんは、ミルク栄養の赤ちゃんよりも体重の減り方がやや大きくなる傾向がある。これを見て「母乳が足りていないのでは」と不安になる親は多いが、多くの場合は母乳の分泌量が数日かけて少しずつ増えていく、ごく自然な過程を反映しているだけだ。
なぜ実際に起こるのか
生理的体重減少の割合は、出生体重の5〜10%程度が目安とされている。計算式は「(出生体重−現在の体重)÷出生体重×100」で、10%を超えないことが一つの目安になる。厚生労働省が2010年に実施した乳幼児身体発育調査のデータをもとに、日本人の新生児生理的体重減少率曲線もつくられており、多くの医療機関がこれを参考にしている。
体重が底を打つのは生後3〜4日ごろが多く、そこから生後1週間を過ぎたあたりから1日あたり約30gのペースで増えていくのが一般的な目安とされる。多くの新生児は生後1〜2週間ほどで出生体重まで戻る。小児科で生後数日目と2週間前後にあらためて体重を確認するのも、何か問題があると決めつけているからではなく、ちょうどこの時期に減少分が回復に転じるはずだからだ。
実際に役立つこと
- 赤ちゃんが欲しがるサインを見せたら、1日8〜12回を目安に授乳し、生後数週間は間隔が空きすぎないようにする。
- 授乳が軌道に乗ったあとは、1日6回以上のおしっこと規則的な便を目安に、哺乳量がおおよそ足りているかを確認する。
- 体重の減少そのものより、哺乳の様子や機嫌、おしっこの回数といった日々のサインのほうが、家庭では確認しやすい。
体重の減少が出生体重の10%に近づいたり超えたりしている場合、おしっこの回数が目立って減っている場合、あるいは授乳を最後まで続けられないほど眠りがちな場合は、小児科医に連絡して確認してもらうのが安心だ。これは何か間違えたというサインではなく、授乳がうまくいっているかどうかを正確に確かめるための、ごく普通のステップにすぎない。
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