添い寝とネントレ、どう選べばいいの?
日本では添い寝が当たり前の一方、海外発のネントレという方法も知られるようになり、どちらを選ぶべきか迷う親が増えています。実際に研究でわかっていることと、部屋数の限られた日本の住環境でも無理なく取り入れられる選び方を、具体的な進め方とあわせて紹介します。

畳に布団を並べて親子で「川の字」に眠る——日本では昔からごく自然な光景だ。一方でここ数年、SNSや育児書を通じて欧米発の「ネントレ」(ねんねトレーニング)という言葉を知り、「うちも取り入れたほうがいいのだろうか」と迷う親が増えている。実際には、添い寝とネントレはどちらかが絶対的に正しいという話ではなく、それぞれ仕組みが異なる方法であり、選ぶ基準は家庭の状況にある。
親が誤解しやすいこと
最もよくある誤解は、「ネントレ」を「泣いても放っておく」方法だと一括りにしてしまうことだ。実際には、決まった間隔で様子を見に行くだけのやり方から、親がそばにいながら少しずつ手を離していくやり方まで、負担の大きさが大きく異なる方法が幅広く存在する。「ネントレ=放置」という理解のまま検討すると、自分たちに合う方法まで最初から選択肢から外してしまいかねない。
もう一つの誤解は、「添い寝を続けていると、いずれ一人で眠れなくなるのでは」という不安だ。添い寝そのものが問題になるわけではなく、いつ・どのように一人寝へ移行するかという進め方の問題であることがほとんどで、添い寝を続けていること自体を心配する必要はない。
何がわかっているのか
海外で行われたランダム化比較試験では、間隔を空けて様子を見に行く方法と、親がそばにいながら段階的に手を離していく方法を比較し、どちらも睡眠が改善した一方、ストレスホルモンの値にも、1年後の愛着形成にも、グループ間で意味のある差は見られなかったと報告されている。日本の小児科医の中にも同様の立場を示す人がいて、夜の睡眠が安定することで日中に親子ともに笑顔で過ごせる時間が増えるなら、それは赤ちゃんにとってもプラスだという考え方を紹介している。
その一方で、日本の育児ガイドラインや小児科の案内は「トレーニング」という言葉自体にはあまり重きを置かず、生活リズムを整えることや眠りやすい環境をつくることを優先する傾向がある。欧米式の完全に一人部屋で寝かせるやり方をそのまま持ち込むより、同じ部屋で眠りながら寝具だけ分ける、そばで見守りつつ関わる頻度を少しずつ減らすといった「ゆるいネントレ」のほうが、部屋数の限られた住環境や、家族で近くに眠ることを大切にする感覚に馴染みやすいと紹介されることが多い。つまり、方法そのものの優劣というより、どの程度自分たちの生活に合わせて調整するかが分かれ目になる。
実際にどう選べばいいか
まず、赤ちゃんの泣き声に自分がどれくらい耐えられるかを正直に見積もることから始めるとよい。間隔を空けて様子を見に行く方法は比較的短期間で変化が出やすいが、その分、泣いている時間に向き合う負担も大きい。それが難しいと感じるなら、そばにいながら少しずつ手を離す緩やかな方法のほうが、続けやすく現実的な選択になる。
住環境も判断材料になる。寝室が一つしかない、きょうだいが同じ部屋で眠っているといった状況では、完全に部屋を分けるより、同じ部屋で寝具や寝る位置を少しずつ変えていくやり方のほうが無理なく進めやすい。添い寝を続けながらでも、入眠時に完全に眠りきる前にベッドや布団に置く練習を重ねるだけで、夜中に一人で再入眠できる力は少しずつ育っていく。
どの方法を選ぶにしても、数日で結果を判断せず、少なくとも1〜2週間は同じやり方を一貫して続けることが大切だ。やり方を頻繁に変えると、赤ちゃんにとって何を期待していいのか分かりにくくなり、かえって落ち着くまでに時間がかかることが多い。家庭の状況に合う方法に迷う場合は、かかりつけの小児科医に相談しながら決めていくのも一つの方法だ。
よくある質問
ネントレはいつから始められますか? 昼夜のリズムがある程度できてくる生後4〜6ヶ月以降から検討する家庭が多いが、始める時期に厳密な決まりがあるわけではなく、赤ちゃんと家庭の状況を見ながら判断してよい。
添い寝をやめると赤ちゃんとの愛着に影響しますか? 研究では、寝かしつけの方法そのものよりも、日中を含めた普段のかかわり方全体のほうが愛着形成への影響が大きいとされている。添い寝を続けるかやめるかだけで愛着が左右されるわけではない。
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